【The story of a mother】 vol.09 「子女名優を思い出す。。。」 自分の思春期を振り返り、親の対応力を学んでみる

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おはようございます。少しずつ日照時間が長くなってきましたね!
ただ、風が強く体感温度はまだまだ真冬並みの寒さです!!
このところ仕事が立て込んでおり、、、ごにょごにょごにょ(イイワケです笑)¬¬
いつも読んで頂いている皆様、更新が遅くなりすみませんでしたーーーー!!
と、いうことでさっそく思春期の頃の私を振り返りながら、血糖コントロールに関して子どもの成長期に沿って親がどう向き合っていけたらよいかを考えてみたいと思います。

 

親の視点からだけでなく、子どもの視点を気にかけてみましょう

今でも私自身も、偉そうには言えるほどの血糖コントロールができているわけではありません。正直を言えば、息子のインスリンを補充した後、自分のインスリンの補充は忘れていることが結構多いです。1歳から1型糖尿病である私が忘れるなんて?!と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…。自身に打った気になり、忘れてしまいます。
息子の食事のカーボ(炭水化物)計算をして、息子にインスリン量を伝え数字を目視確認したら、すっかり満足感にひたってしまい。。。完全に自分も打ったつもりになっております。そんな私でも元気にやっていますので、これを読んで頂いているお母さん!思春期に多少血糖コントロールが悪くても見守って下さい。血糖コントロールばかりが重要視されることも多いですが、成人や社会人の方と違って思春期は精神的なケアの方が重要だと私は身を持って感じています。私の母は、寛大な心で見守ってくれたので心から感謝しています。
私の幼少期の自宅での検査は、今のように自己血糖測定が一般的ではなく尿検査だけだったので検査で (-) が出たら、小さなおにぎりを一個食べる、といった感じの低血糖対策をしていました。血糖値の管理が尿検査だけなんて!と信じられないかもしれませんがそんな時代でした。もちろん中学生の頃には、自己血糖測定器もありましたが現在のようにインスリンポンプがあってSAPがあって、自己血糖測定器も普及しインスリンの注入方法も選択出来るなんてことはありませんでした。治療の選択肢が増えた今だからこそ逆にお母さんたちは、インスリンの注入量や注入方法にも迷っている事も多いかな?!と、日ごろご相談を頂いているなかで感じています。最初は、注入量に迷うのは当たり前だし、第一子どもの生活に何が一番合っているかなんて、やってみなきゃわかりません!
その選択にしても、わが子が苦しいのを代わってあげたいと思うくらい愛する分身の選択ですから、悩むのも当たり前です。

 

かつての 「自分」 と 「親」 がどう病気と共にある日々を乗り切ってきたのか?を振り返る

自己血糖測定器も、ペン型注射もインスリンポンプもいろいろ試してうまく利用してある程度見守って行けると息子さん娘さんも自分で自然と動くようになります。
何故か?!身体がしんどいし、そうしないと自分もなんだか罪悪感だから!!!
私が思春期の頃、家に帰らずごはんもあまり食べずにいても、「放置」 は3日も持ちませんでした。血糖値が400~500代をキープしていると気持ちが悪くなり、筋肉が張ってきて動きにくくなり身体がしんどくなって帰宅。を、当時は何度か繰り返していました。
私が最終的に家出をやめることになった母の言葉は、、
私が帰宅してドアを開けたら母が玄関で、「お帰り。インスリン忘れてったらしんどいよ。これがあればなんとかなるけど、これないとなんにもできないからね。これだけは持って行きないさい!」って……。そのときは、怒らず真剣に話をしていました。
「この人には、勝てない!」と、思いました。今でも思っています。
それからは、振り返るとあの年齢にしたら血糖測定、注射も母に何か言われることなく積極的になった記憶があります。
血糖値が高くて眠かったり喉が渇いたりしていたら……。
低かった時には冷や汗をかいて意識ももうろうとしたり、ジュースも何もなかったりしたら……。
息子がもし家出をしてしまったら、私は心配でたまらないでしょう。
ずっと眠れないかもしれません。
母もきっと同じ気持ちだったかな…それ以上に心配していたかもしれません。今になって母の気持ちが身にしみるほどわかります。

また私が中学生の時、思春期で病気と向き合うのも嫌だった頃。ご飯もいっぱい食べたい頃。
病院やキャンプではカロリー計算や食品交換表をつかって食事制限されていたので、ご飯(などの表1に分類される炭水化物)は、2単位(160kcal)とか決められていて…。一番ご飯を食べたい成長期の娘には、ご飯やパンの制限がとても嫌でした。
うちの母は、まだまだひと世代前の “ 1型糖尿病児の母親” なので、今でいうカーボカウントほど本格的ではないにしろ、配慮のうえで好きなものもできるだけ手作りでだべさせてくれて、必要な場合にはインスリンの追加打ちもしていました。
が……、やっぱり少しでも制限があると、あの当時の私は嫌で嫌でなんでも嫌で……あまったれのどうしようもない娘でした。
今の子供たちは、その辺りは自由に食べられて制限がないのですくすく成長できているのかな?と、思いますが…。
たまに血糖コントロールを気にするあまり、成長期のお子さんに食事制限を過剰に課しているママさんも見られますが、あまりに血糖コントロールに束縛されて自分もお子さんもがんじがらめにしてしまうと、子どもには全部伝わっているので緩くコントロールしてみましょう!子女名優(子どもは親の心を実演する名優である)と、以前の職場でよく教えて頂きました。

 

親も、子どもと共に学んでいくんだ…!「自分自身」 という壁を乗り越えていこう!

お母さん!これを通りすぎると不思議なくらいスーーーっと、あのときなんでこんなに苦しんだんだろうってくらいに過ぎて行きます。

子どもなりに進級の不安、病気との向き合い方、自身の将来とかいろいろ不安とぶつかって乗り越えなきゃならない時期でもあるので、吐き出せるのはご両親だけなんです。お母さんなんですよ!逆にここでぶつかる事がないといけないのかもしれませんね!
簡単なことではないけれど、少し見守ってみて下さい。(あ……、最低限のマナーは、きちんと言って下さいね!)
大丈夫です!越えられない壁はない! “壁は自分自身” なので!
って…私も、最近息子にうるさくしそうになるので振り返らせて頂く良い機会になりました。有難うございます。
それでは良い1週間をお迎え下さい^^

プロフィール

名前:笹原加奈子
自身が1型糖尿病患者(1歳発症)。
また、1型糖尿病患者の6歳の息子さん(4歳発症)のお母さん。
日本IDDMネットワーク事務局員
千葉県在住
 

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