糖尿病死亡率が全国でもっとも少ない神奈川県、県をあげての対策で糖尿病を防ぐ

LINEで送る
Pocket

都道府県別に見た人口10万人に対する糖尿病の死亡率は、全国平均で10.6人にもなるといいます。これを大きく下回るかたちで神奈川県が2015年の死亡率ベスト1位となりました。ワースト1位である青森県 (18.2人) の半分以下である7.2人という好成績での首位獲得を、厚生労働省の 「平成27年人口動態統計月報年計」 が伝えています。
神奈川県は2013年にも死亡率全国ベスト1位になっており、糖尿病対策に成果をあげている県として知られています。

 

いち早く県内の糖尿病医療連携を整備 対策啓発にも注力

神奈川県の具体的な対策としては、他県に先駆けて取り入れられた 「糖尿病地域医療連携クリティカルパス」 の推進が挙げられます。日本糖尿病協会が発行する 「糖尿病連携手帳」 の普及を県内の医療機関や薬局の協力を得て実施、糖尿病の担当医と、合併症などで診察の可能性がある眼科医や歯科医、その他糖尿病治療の各医療機関がスムーズに情報共有できるよう体制を整えました。その結果、糖尿病予備軍の早期治療や患者の重症化抑制、合併症の予防などに繋つながったといわれています。
また、神奈川県は世界保健機関 ( WHO ) が定めた11 月14 日の 「世界糖尿病デー」に、シンボルのブルーサークルにちなんで、神奈川県庁本庁舎をブルーにライトアップするイベントを実施、その他にも映像やリーフレットを作成するなど、糖尿病対策啓発を積極的に行っています。

 

(動画出典:かなチャン TV (神奈川県公式) )

 

神奈川県独自の認定システム 「 KLCDE 」 で、正しい知識と指導者を拡充

上記のように、神奈川県は地域医療連携を強めてきました。その独自の取り組みの一つとして設立されたのが 「神奈川糖尿病療養指導士 ( KLCDE ) 」 。国家資格試験や受験資格を問わない認定システムであり、神奈川糖尿病療養指導士認定機構によれば、下記の通り定義されたものになります。

糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を有し、医師の指示下で対象患者に熟練した療養支援を行うことのできる医療、福祉、 介護従事者 (事務スタッフを含む糖尿病療養支援に関わる全ての方) を神奈川糖尿病療養指導士として養成・認定する資格です。 (引用出典:神奈川糖尿病療養指導士認定機構 公式HP

現在は400名ほどが有資格者であり、医師や看護師の指導のもとで、糖尿病患者をサポートしています。この認定は医療職以外に医療行為を許可するものではなく、医療職への特別な資格を付与するものではありません。しかし、継続的な治療が必要となる糖尿病治療においては、症状などに対する正しい知識を持つ者の支援は、精神的な面からも重要であると考えられます。

 

県民一人ひとりの生活習慣改善を促す 「かながわ健康プラン21 (第2次)?」 を策定し、ますます健康づくりに邁進する神奈川県。糖尿病死亡率全国ベスト1位の取り組みが他県に広がることが期待されます。

 

■ 参考
厚生労働省 平成27年人口動態統計月報年計
株式会社創新社
糖尿病の最新全国ランキング ワーストは青森県 ベストは神奈川県
糖尿病の都道府県別ランキング ワーストは徳島、ベストは神奈川
神奈川県 公式HP
糖尿病対策
糖尿病連携手帳を活用しましょう
健康寿命の延伸への取組みについて
神奈川糖尿病療養指導士認定機構 公式HP

Related posts:

LINEで送る
Pocket