境界域や発症段階も含む、栃木県糖尿病重症化予防プログラムを策定

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病気の重症化から死亡という事態に本気の対策を!人口動態ピラミッドに課題を抱える日本

厚生労働省が発表する人口動態統計 (概数) では、心疾患や脳血管疾患で亡くなる人の数が年々増加していることがわかります。それらの疾患と深く関係しているのが糖尿病や高血圧症です。こうした概況を受け、全国都道府県では各地さまざまな独自の対策を講じて2型糖尿病を発症しない、あるいは重症化しない取り組みを進めています。

18歳人口(3年前の中学校卒業者数および中等教育学校前期課程修了者数)の減少、全国的な高齢化社会となっている日本では労働力人口の減少は大きな課題の一つです。病の予防や重症化による死亡事例を改善していくための対策が待ったなしの状態なのです。
●過去記事:
買い物や外食時の意識改革と選択肢の増加により 「健康格差」 を減する、足立区や香川県の取り組みとは
そんななか、栃木県では一般社団法人栃木県医師会及び栃木県保険者協議会と協働して 「栃木県糖尿病重症化予防プログラム」 を策定したことを発表しました。栃木県では糖尿病患者数および、透析患者数が全国平均よりも多く増加傾向にあり、健康保険事業の運営主体である保険者による糖尿病の重症化予防対策により効果的に取り組んでいくことを目的としています。

 

国や他県とはどこが異なる?栃木県独自のプログラムとは

保険者が従来の特定健診・特定保健指導をしていくことに加えて、健診データやレセプトデータを活用した対象者の抽出や、かかりつけ医と連携した保健指導等を実施。それにより生活習慣の改善や医療機関での治療に結びつけ、糖尿病発症や重症化、人工透析への移行を防止します。

栃木県の取り組みが独自である点は、糖尿病境界域や発症段階の方も対象に含む 「糖尿病重症化予防プログラム」 としていること。厚生労働省が主導する国や他県では 「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」 の取り組みが進んでいます。県では県内すべての保険者に普及することを目指し、住民の健康を積極的に守る姿勢を見せています。
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(画像出典: 栃木県公式ホームページ内資料より)

2型糖尿病は成人してから発症するケースが多く、多忙さのなかで正しい情報入手の努力や、疾患を理解して正しく治療や習慣の改善を行うなど一人ひとりの姿勢が非常に問われる側面があります。栃木県のように県が主導して 「すべての保険者への普及」 をミッションとして広く推進されていくことは、その成果に大きく注目が集まります。
■ 出典
栃木県 公式ホームページ
厚生労働省 糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定の締結について

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