「自称祈祷師」 の男に有罪判決。1型糖尿病男児衰弱死を無駄にしないために

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2015年の1型糖尿病児、インスリン投与中断による衰弱死事件の有罪判決が下りる

2015年4月、宇都宮市に住む当時7歳、小学二年生だった1型糖尿病患者の今井 駿くんに、治療に不可欠であったインスリンの投与中断を指示し死亡させたとして、殺人罪に問われた栃木県下野市小金井、建設業、近藤弘治被告(62)に有罪判決が下されました。求刑15年に対し、懲役14年6月という判決で、佐藤 基裁判長は 「未必の故意」 による殺意を認定しました。

起訴状によると、1型糖尿病の被害者がインスリンを投与しなければ死亡するおそれがあると知りながら、2015年4月7日ごろから27日までの間、メールや口頭で被害者の両親にインスリン投与の中止を指示し同27日に衰弱死させたとしています。

自称祈祷師の近藤被告は幼い子どもへのインスリン注射を気に病む両親につけこみ、言葉巧みに信心をあおってインスリンの投与を止めさせました。結果幼い駿くんが死亡するという痛ましい事件は、いまだ多くの人の記憶に新しいことと思います。被害者の両親も、保護責任者遺棄致死容疑で書類送検され起訴猶予処分となっています。求刑に対しほとんど減刑のない重い判決でしたが、産経ニュースが報じる被害者の父親が検察側証人となって証言をした内容には考えさせられるものがあります。

平成26年12月に夫婦で依頼したと説明。27年3月までに計310万円を支払った。駿君が死亡するまで近藤被告の指示に従った理由は「投与をしなくてもインスリンが(駿君の体から)出るようになったと妻から聞き、“治療”を信じていた」と話した。27年2月11日ごろにインスリン投与を中止、3月に駿君が再入院した時は、「信じ方が足りなかった。もっと強く信じようと思った」と夫婦で話したという。(出典:産経ニュース

病気と共に生きるうえで欠かせない 「正しい知識」 、親が子どもを守るために

子を思う親の気持ちを悪用し大切な命まで奪った被告は言語道断でありながら、「病気」 について正しい知識を持つことができていたらと悔いの残る事件です。特に患者が幼い子どもの場合、保護者である親が管理者でもあります。管理者は正しい知識を持つこと、そして健康状態を健全に導いていく責任があることを社会で考えていくべきと言えます。

また、相談する人や場所を確保して孤独にならないことも大切です。

 

■ 出典

株式会社毎日新聞社 毎日新聞

株式会社産業経済新聞社 産経ニュース

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