1型糖尿病患者9名による障害年金訴訟の大阪地裁判決に、国は控訴しない方針を示す

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皆さん、ニュース等でご存知かと思いますが、1型糖尿病患者9人による障害年金に関する集団訴訟の判決が先日11日に大阪地方裁判所で行われました。

 

この訴訟は20歳以前に1型糖尿病を発症した患者たちが、症状は改善していないのに、障害基礎年金の支給を打ち切られたのは違法であるとして、国に処分の取り消しならびに年金の支給再開を求めていたものです。

 

三輪方大裁判長は、国は症状や日常生活の状況を踏まえた年金の支給停止の理由を明示すべきところ、原告らへの処分通知書には障害の程度が支給対象に該当しないとする結論しか記されておらず、「行政手続法が定める理由提示義務に違反する」と判断し、「処分の詳しい理由を明らかにしていない国の対応は違法だ」として処分を取り消しました。

 

今回の判決のポイントは、国が支給打ち切りの判断(1型糖尿病患者のどういった症状や状態の人が障害の2級以上に該当するのか)には触れずに、その通知書に理由の記載がないことの違法性のみを示したことです。

 

そして、この大阪地裁判決について、国は控訴しない方針を固めたと16日報じられました。

 

これにより大阪地裁の判決通り打ち切り処分の取り消しが確定しますが、これで支給再開が決定したわけではありません

 

今後、厚生労働省は改めて原告に障害年金の支給再開を行うかどうか判断していくことになります。

 

なお、障害年金は制度が複雑で分かりにくいため、日本IDDMネットワーク会報2017年12月号の中で、社会保険労務士さんにお話をうかがいまとめた「障害年金ってなぁに?」という記事を日本IDDMネットワークのホームページに公開しております。

特集「障害年金ってなぁに?」

 

障害年金の受給についてお悩みの方は、こちらも合わせて御覧ください。

 

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