神経をハッキングして糖尿病を治す!?グーグルとグラクソがバイオエレクトロニクスの新会社を設立

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8月1日、グーグルの関連会社ベリリー・ライフサイエンシズは英製薬最大手のグラクソ・スミスクラインと共同で「バイオエレクトロニクス(生体電子工学)」の新会社を設立すると発表しました。

合併会社の名前はガルバーニ・バイオエレクトロニクス、設立は年内を予定しています。

 

注目の新治療法に使われる、バイオエレクトロニクスって?

新会社が目指すのは電子工学技術を基にした新たな治療方法です。

両者が共同で設立した会社「ガルバーニ・バイオエレクトロニクス」が開発する機器がターゲットとしているのは、体内を走るの「神経信号」です。
脳から神経を通じて各器官に送られる電気信号は、生体のさまざまな生理活動をコントロールするホルモンの分泌を制御します。
同社が目指すのは、これらの電気信号の情報を解読して異常を察知し、そして刺激を与えることでその異常を修正する治療法です。(出典:バイオの杜

具体的には、体内の電気信号をモニタリングできる小型機器を患者さんの体内に埋め込みます。錠剤ほどの大きさのそれは、効果が何十年も持続するため、投薬や注射による治療の必要がなくなる可能性があるとのこと。そうなれば患者さんの負担は大きく軽減されることになります。

初期の研究では炎症や代謝系、内分泌系が治療の対象になり、その中には糖尿病も含まれています。動物実験ではすでに2型糖尿病に効果があるという結果が得られたと発表されました。
 

 

活発に医療開発を行う2社が手を結び、糖尿病治療に新たな道

実験では血糖およびインスリン値を感知するセンサーから出る神経信号を阻害することで、インスリンに対する感度を正常範囲に戻すことができたとしています。

グラクソは2012年から活動を本格化させており、世界で約50の共同研究を進め、15年には日本の東京都健康長寿医療センターとも契約を結んでいます。

また、グーグルも近年医療分野に力を注いできました。他機関と協力して糖尿病の治療方法研究やモニタリングを行ったり、血糖値を測定できるスマート・コンタクトレンズの開発などを手掛けています。

iPS細胞などの再生医療と共に、このような電子機器を使った治療法もまた、糖尿病の新たな治療法として確立していくことが期待されます。

 
■ 参考
株式会社 日本経済新聞社 日本経済新聞 電子版
コンデナスト・ジャパン WIRED
バイオの杜 グーグルとグラクソが目指す「バイオエレクトロニクス治療」とはいったい何か?
アイティメディア株式会社 ITmedia
Yahoo Japan BEAUTY 「神経をハッキングすれば糖尿病や喘息が治療できる」。GoogleとGSKが、生体電子工学を開発する新会社を設立。

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