「福」 は 「健康」 だった!?今改めて見直したい、笑いがもたらす体への影響
松の内が明け、そろそろ本格的に脱・お正月気分という頃。新たな年を言祝ぎ、縁起の良いとされる正月ならではの遊びなどもかつてはよく行われたものでした。
このなかに 「福笑い」 という遊びがあったのをご存知でしょうか。「笑う門には福来る」 と言うように、おかめやひょっとこの輪郭を描いた紙の上に、眉毛、目、鼻、口といった各パーツを目隠しをした人がカンを働かせながら適当に並べていく遊びです。目隠しをしているのでパーツがおかしな並び方をする様子がこっけいとして、みんなで眺めて笑い合うという実にほのぼのとした伝統行事でした。 「福」 とは、現代の最新研究に即した表現に言い換えると 「笑う門には “健康” 来る」 ということが言えそうです。
「笑い」 による健康効果への研究成果は、実にさまざまな恩恵として確認されてきた
これまでに発表されている 「笑い」 がもたらす研究成果を見てみましょう。2009年には、予防医療に携わる米ロマリンダ大学のリー ベルク博士が、2型糖尿病患者を対象に笑いとコレステロール値の関係性を調査しています。詳しい情報は 『糖尿病ネットワーク』 の該当記事ページをご覧ください。簡単に説明しますと、2型糖尿病患者で治療を受けている方で降圧薬およびコレステロール降下薬を服用している患者を対象に、 笑いを積極的に取り入れる群とそうでない群に分け、治療を継続しました。12ヶ月後、笑いを積極的に取り入れた群では、2型糖尿病患者における血中コレステロール値の改善を助け、心臓発作のリスク低減にもつながるという研究成果が見られたとのことです。
笑うことでストレスホルモンが減少されることや、脳内神経伝達物質セロトニンの分泌が活性化されるということが同研究で確認されています。コルチゾールやアドレナリンといった副腎皮質から分泌されるストレスホルモンは、過度なストレスによって血液中に増加することで体内に炎症を起こします。糖尿病患者は自己管理や節制によりストレスがたまりやすいとされ、笑いのちからを借りてストレスホルモンを減少していくことをお薦めしたいところです。その他、笑いが食後血糖値を下げる効果も確認されているなど、お金をかけずに心も体にもうれしい恩恵がたくさんあることがわかりました。
また、東京大学大学院の近藤尚己准教授の研究では、心臓病や脳卒中、動脈硬化といった疾病にも笑いが良い影響を与えることが発表されています。(出典:NIKKEI STYLE)
笑いに認められている効果の一つ、免疫力アップはこの時季気になる感染症からも守ってくれますし、やはり毎日笑いのある生活を心がけたいものですね。ほほ笑む表情は口角がきゅっと引き締まるので、「ほほ笑み美人」 も狙いたいところです。
■ 出典、参考
株式会社創新社 糖尿病ネットワーク
日本経済新聞社 NIKKEI STYLE