「ソーダ税」 をご存知ですか?今年の10月に世界保健機構 ( WHO ) が、 「糖分を多く含む飲料に課税する」 よう加盟国および地域に呼びかけました。商品の価格を引き上げて飲む回数を抑えることで、肥満や虫歯、2型糖尿病の患者数を減らすことを狙いとしています。
糖尿病前症リスクが増加!インスリン抵抗性も高めてしまう加糖飲料
そしてこの度、ジュースなどの加糖飲料を習慣として飲み続けていると、2型糖尿病発症の前段階である「糖尿病前症」になるリスクが高まることが明らかにされました。研究結果を発表した米タフツ大学、マサチューセッツ総合病院、米国立心肺血液研究所の共同研究チームは、加糖飲料を飲む量が増えるほどにインスリン抵抗性も高まっていくとしています。
これは平均年齢51.9歳の1685人を分析、米国の大規模追跡調査 「フラミンガム子孫研究」 による14年以上のアンケート調査で取得した、詳細な食事内容など生活習慣のデータをもとに、加糖飲料の摂取量と2型糖尿病発症の関係を研究したものです。その結果、一週間に加糖飲料の摂取量が3サービング (通常飲料缶3缶) 以下の人と比較して、6サービング以上の摂取量がある人は、糖尿病前症リスクが46%も増加したといいます。
ジュースに含まれる驚きの砂糖量、糖尿病前症リスク低減にはお茶や無糖コーヒーを
ここで言う加糖飲料とは、コーラなどの炭酸飲料やスポーツドリンクなどの清涼飲料、果汁100%ではないフルーツジュース等のことを指します。普段これらを口にするときに、含まれている砂糖の量はあまり意識していないのではないでしょうか。
ところが、下記をご覧になってわかるとおり、 WHO が成人一日あたりの砂糖摂取量の上限を25グラムに定めているのを考えれば、明らかに砂糖を摂りすぎてしまうことになるのです。
・コーラ 500 ml のペットボトル1本に角砂糖16個分 (約56グラム)
・スポーツドリンク 500 ml のペットボトル1本に角砂糖6.5個分 (約23グラム)
・オレンジジュース 470 ml のペットボトル1本に角砂糖15個分 (約52グラム)
摂取する糖分が多すぎると、細胞は適正な反応できずに、インスリン抵抗性が高まります。つまり血糖値が上昇して、2型糖尿病発症の前兆 「糖尿病前症」 となってしまうのです。
しかし、これはまだ元の状態に戻せる段階。加糖飲料を飲む回数を減らしたり、運動を取り入れたりと、生活習慣の改善で発症を食い止めることができるとされています。
もともと甘味料入りのジュースを積極的に摂取する方は PRESS IDDM の読者には少ないかもしれませんが、構造的にどう影響するかを知っておくことは、ご家族の健康を守る意味でも大切なことと言えるでしょう。
■ 参考
ニフティ株式会社 @nifty ニュース
糖ペディア 加工食品と糖
株式会社日本経済新聞社 日本経済新聞