<第1回>バイオ人工膵島移植の進捗状況(霜田雅之先生)

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1型糖尿病根治を願う2025年を迎え、根治に一番近い治療法と期待するバイオ人工膵島移植の研究を続ける国立健康危機管理機構の霜田雅之先生に、研究の進捗状況を毎月報告していただくことなりました。

また、バイオ人工膵島移植分野の第一人者である松本慎一先生(日本初の膵島移植医で医療用ブタ開発のために自ら法人まで立ち上げられました)からも、毎月報告していただいております。
▶【第1回】バイオ人工膵島移植の進捗状況(松本慎一先生)

バイオ人工膵島移植の進捗状況(3月)

バイオ人工膵島を用いた糖尿病治療のための技術開発を鋭意行っており、日本での臨床試験(新しい治療法をまず少人数の同意された方に行い、効果や安全性を評価すること)を計画しています。
臨床試験の実施については当初目標としていた2025年より時間がかかる見込みとなってしまいましたが、諦めることなく、安全性に最大の配慮をしつつできるだけ早期の実施を目指します。
現時点で、バイオ人工膵島の技術は小動物実験での成果を上げており、基礎的な技術を持っていると考えています。ただし、人間に使用するにはいくつかのハードルがあり、そのうちの一つとしてブタ膵島の衛生管理が非常に重要であり、そのために「衛生度の高いブタ」が必要という課題があります。
この衛生的なブタを提供するために設立された「一般社団法人医療用ブタ開発機構」(松本慎一代表理事)の取り組みは非常に大きく、日本でのバイオ人工膵島の実現に向けた重要な前進と言えます。
私たちはこのような衛生度の高いブタを用いてさらに前臨床試験(人間に移植する前に動物実験などで効果や安全性を確かめる試験)を予定しています。これは人間に移植する臨床試験の前に必ず要るステップです。

また、並行してバイオ人工膵島移植臨床試験のために承認が必要な各種審査会や厚生労働省の会議への申請に向けて準備しております。準備には前臨床試験の実施に加えて、製造・品質管理設備、人材の確保育成、専門家との連携、検査体制の構築なども含まれています。
さらに、本年4月1日より、所属する国立国際医療研究センターは国立感染症研究所と統合し、「国立健康危機管理研究機構」という組織に改編されます。新しい機構は、これまでの病院機能や研究を維持発展するとともに、既知および未知の感染症に対して日本のリーダーシップをとって対応する組織となります。
ブタを用いた異種移植の課題の一つであるブタから人間への病原体の感染の問題に対しても、国内有数の対応が可能な組織となり、バイオ人工膵島の安全面に関してさらに体制強化できると考えています。

引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。

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◆霜田雅之先生連載記事
▶ <第1回>バイオ人工膵島移植の進捗状況(霜田雅之先生)

◇松本慎一先生連載記事
▶ 【第1回】バイオ人工膵島移植の進捗状況(松本慎一先生)

プロフィール
名前:霜田雅之
国立健康危機管理研究機構(JIHS)
※国立国際医療研究センターは4月1日より組織改編
膵島移植企業連携プロジェクト
 

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