暖かくなったかと思えば真冬の寒さに逆戻り…。そんな日も珍しくない今年の春ですが、進学や就職などで新しい環境での生活をスタートなさった方も多いかもしれません。こうした気温や環境の変化によるストレスは、自律神経のバランスをくずしやすいことをご存知ですか?
冬から夏へ移行する、過渡期の春は自律神経も移行時期
自律神経は主に昼間の 「活動」 をつかさどり、血圧や心拍数を上げ血管を収縮させるなどの働きをする交感神経と、主に夜間の 「休息」 をつかさどり、血圧や心拍数を下げ、心や体を休息させる副交感神経とがあります。冬季は交感神経が活発に働くことで寒さに耐え、暑くなる夏には副交感神経が活発になりリラックスした状態になると言います。春はちょうどこの移行のタイミングにあたり、体調もバランスをくずしやすくなるのです。糖尿病の合併症の一つに、糖尿病性神経障害があり血圧や胃腸の働きに影響を及ぼすため、最終的に血糖コントロールにも影響します。そこで、春先だからこそ意識して気をつけたい 『自律神経の整え方』 についてご紹介します。
【起床と就寝を見直す】
自律神経の大敵は不規則な生活です。なるべく起床時間と就寝時間を毎日同じ時刻になるように意識することも大切です。また、目覚めの際の朝の光が重要で、眠っているときは副交感神経が優勢で目覚めには交感神経が優位になっていることが大切。たとえば睡眠時間をたっぷりとったのに目覚めが悪く眠いし疲れが取れない…。そんなときはうまく交感神経へスイッチされていないことが考えられます。ここで大きな役割を持つのが朝日、光刺激です。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされるので、自律神経の状態をちょうど良い状態にしてくれるのです。なお、先に書きましたとおり休息をつかさどる副交感神経が優位になっているとき、私たちの身体は呼吸も浅く血圧も低くなっています。目覚めるときには交感神経を優位に働かせ、血圧も上げ脳にたっぷりの酸素を送りこむことでスッキリとした朝を迎えることができます。
起床時間と就寝時間をなるべく同じ時刻でキープし、目覚めの光による刺激で自律神経を調整するために、目覚めたらまずカーテンを開けて朝日をしっかり浴びましょう。
良い目覚めのためには質の高い睡眠も大切。就寝前にできる工夫は、38℃~40℃程度のややぬるめのお風呂にゆっくりとつかることで副交感神経にスイッチを切り替えて身体をリラックスモードにシフトしましょう。
【リラックスできる状態をつくる】
冒頭に挙げた気温や環境の変化はストレスになり、自律神経のバランスも乱れがちなとき。実はウォーキングやストレッチなどの適度な運動も自律神経のバランスを整える効果がありますが、ちょっと元気をなくしているときは率先してアクティブになるのは難しいですよね。そんなときは腹式呼吸がお薦めです。ポイントはゆっくりと長い呼吸を意識すること、4秒ほどかけて息を吸い、その後8秒ほどかけてゆっくり吐ききります。
食事でもミネラルやビタミン、カルシウムには自律神経を整える作用を持ちますので、インスタント食品ではなくなるべくいろんな食材を摂取するようにしましょう。
その他、ご自分がリラックスモードにシフトできる方法を知っておき、就寝前などに日常のルーティンにして取り入れるのも眠りに入っていく習慣にできます。静かな音楽やアロマテラピーなど、心と身体を休息モードへ切り替えていきましょう。
■ 出典
富士フイルム株式会社 富士フイルム ヘルスケア未来研究所
株式会社オールアバウト All? About 健康・医療
株式会社ベステル 糖尿病症状セルフチェック