徳島県、糖尿病腎症重症化 “ハイリスク患者” へ、人工透析への移行を防止する対策の導入へ
自治体が取り組む健康対策プログラムには、これまでご紹介した栃木県による「栃木県糖尿病重症化予防プログラム」 の他にいくつかの県で導入されている 「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」 があります。こちらは厚生労働省が昨年、糖尿病性腎症重症化予防の取り組みの横展開の一環として日本医師会、日本糖尿病対策推進協議会の三者で「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定」を締結しています。
この度、徳島県においても、徳島県医師会、徳島県医師会糖尿病対策班、徳島県保険者協議会、徳島県の4者が連携のうえ 「徳島県糖尿病性腎症重症化予防プログラム」 を策定したことを発表しています。
県では導入の目的に、糖尿病性腎症の悪化による人工透析への移行を防止することを挙げています。重症化リスクの高い“ハイリスク患者” へ主治医の判断で保健指導対象者を選定、医療保険者が医療機関と連携して保健指導を実施します。
14年連続で 「糖尿病死亡率全国ワースト1位」 だった!地道な対策を継続中の現在
実は徳島県は平成5年から平成18年にかけて、14年連続して「糖尿病死亡率全国ワースト1位」 という不名誉な記録を持っていました。そこで県では平成17年11月、県医師会と共同で「糖尿病緊急事態宣言」を実施、県民のに対して注意喚起を開始しました。さらに平成18年1月には 「みんなでつくろう!健康とくしま県民会議」 を設立し、県民総ぐるみによる健康づくりに関する取り組みを進めてきたのです。結果は平成19年の糖尿病死亡率は全国第7位と改善傾向が見られたのです!
ところが平成20年から平成25年にかけてはまたもや連続で「全国ワースト1位」を計上、翌平成26年、平成27年は全国第7位、全国第5位となりワースト1位を脱却したという経緯を持っているのです。
県では 「健康づくり推進店」 や 「禁煙宣言事業所」 などの募集を行ったり、継続して健康づくりを進めてきました。糖尿病性腎症を発症する前のこうした取り組みも行っているうえでの 「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」 の導入。なかなか水際での重症化を食い止めることが困難であることも想像させます。個人一人ひとりと、自治体とが協力し合って一つの成果が見られることに他県からも注目を浴びるのではないでしょうか。
■ 出典
徳島県 プレスリリース、徳島県の糖尿病の現状と対策