『HEALTH PRESS(ヘルプレ)』 によりますと、英国で報告された研究から1日3時間以上をテレビの視聴やPC、ビデオゲームに費やす子どもは体脂肪量が多く、インスリン抵抗性が高いことがわかったとのことです。つまり、テレビやスマホ、PC画面を見る時間が長いほど、子どもの2型糖尿病発症リスクが高まるということになります。
子どものスマホ、PC視聴時間と2型糖尿病発症リスクの関係
衝撃的なことに、以前から成人ではテレビやPCの前で過ごす時間が長いほど体重の増加傾向が見られると共に2型糖尿病発症リスクも高まることはわかっていた事実だそう…。そこで英ロンドン大学セント・ジョージ校のClaire Nightingale氏ら研究チームは、この事実が子どもにも該当するかを調べてみることに。ちなみに長い座り時間が2型糖尿病発症に大きく影響する事実をご紹介していますが、このとき、研究を主導したマーストリヒト大学のJulianne van der Berg氏が「今回の調査で、『座り続けること自体が健康に悪い』 ということが判明した。どれだけ運動しようとも、座位時間が長いほど糖尿病のリスクは高まる」 と語ったことも驚くべき事実でした。
となると、テレビやPCの視聴時間が2型糖尿病発症と相関関係を持つというのは、原因の一つには座っている時間が長くなることも影響しているのでしょうか。
視聴時間3時間以上の子どもはレプチン濃度やインスリン抵抗性が上昇
話を戻しますと、英国の研究チームでは9~10歳のバーミンガム、レスター、ロンドンに住む子どもたち4,495人を対象にコレステロール値や空腹時血糖値、インスリン抵抗性、炎症マーカー、血圧、体脂肪を測定しました。1日どのくらいの時間をテレビ、PC、ビデオゲームなどの視聴に充てているかも調査したところ、
参加した子どもの約3分の1(37%)が、テレビの視聴やPCなどの電子機器の使用に費やす時間は「1時間未満」で、28%は「1~2時間未満」、13%は「2~3時間未満」、18%は「3時間以上」と回答した。(出典:HEALTH PRESS(ヘルプレ))
また、こうした視聴時間 “スクリーンタイム” が1日1時間未満の子に比べて、3時間以上の子では肥満度や皮下脂肪厚、脂肪量指数が高く、レプチン濃度やインスリン抵抗性も高いことがわかったとのこと。なお、 『HEALTH PRESS(ヘルプレ)』 によると、レプチンは食欲のコントロールやインスリン抵抗性に関連するホルモンであり、インスリン抵抗性との関連は、家庭の経済状況や身体活動量などのほかの糖尿病リスク因子とは独立して認められているとのことです。
今回の結果はデジタルデバイスの視聴との因果関係は追求できておらず、あくまで “スクリーンタイム” と疾患の関係を明らかにしたと言えます。先に触れたように、座位時間との関連なのかもしれませんが、スマホやPCから生じているブルーライトと健康の関係なども注視されており、今後デジタルデバイスならではの因果関係が明らかになっていくかもしれません。今確かなこととしては、座位時間が長時間化しないよう気をつけることは有効な対策と言えます。
■ 出典
株式会社ヒルダ HEALTH PRESS
株式会社創新社 糖尿病ネットワーク