増え続ける2型糖尿病対策に、東京都が独自の新資格認定制度を発足
全国の自治体ではそれぞれ地域性も活かしながら、糖尿病対策への取り組みが進んでいます。対策に乗り出す背景には、長期的な視点での医療費削減や働き盛り世代の死亡率を下げることという二つの課題があります。
この度東京都では、糖尿病の専門的知識を身につける2つの独自認定制度をスタートしました。
東京都では糖尿病有病者数が増えており、人口増加も近年ハイペースで進んでいます。医療経済研究機構の報告によると、合併症がまったくない場合に比べ合併症が4つ以上重なると、医療費が2.5倍近くまで膨れ上がります。また、腎症が進行し、透析治療が必要になると1人年間500万円以上の医療費がかかるともされています。
糖尿病に関わる医療職、専門職の研修を行い糖尿病に関する知識の修得を認定することで、糖尿病患者とその予備群を支える層の厚い社会インフラを構築するべく2つの認定資格がスタートしたのです。この東京糖尿病療養指導士(東京CDE) と東京糖尿病療養支援士 (東京CDS)は、研修会を受講し認定試験に合格すると付与され、その活用展望は以下のとおり。
病院では医師と協力して患者の療養時の生活指導などを充実させ、健診の際には病気予防の説明の強化を図る。介護、福祉施設などでは、より適切な介護をすることで糖尿病に伴う事故やトラブルの回避につなげる。 (出典:47NEWS)
それぞれの資格について違いや受講対象者を見てみましょう。
【東京糖尿病療養指導士(東京CDE)】
糖尿病治療においてもっとも大切な自己管理、「療養」 を患者に指導する医療スタッフとして、高度かつ幅広い専門知識をもって患者のセルフケアを支援します。この資格は全国版である日本糖尿病療養指導士の東京ローカル版であり、受験資格対象者は看護師や管理栄養士、理学療法士など医療現場で働く専門職の方としています。
【東京糖尿病療養支援士 (東京CDS)】
主として健康増進・発症予防や福祉、介護などの幅広い職域において、糖尿病予備群や一般生活者へ向けて糖尿病の知識の啓発と予防にあたる専門職で、糖尿病の病態、治療等に関する一定レベルの知識を習得し、認定試験に合格した専門職有資格者。こちらの受験資格対象者は介護や社会福祉の施設職員や自治体職員などとしています。
認定試験は10月実施を予定しています。2型糖尿病は知識をもって予防に取り組むこともでき、発症しても早期発見ができれば適切な治療と共に合併症や重症化を防ぐことができる病気です。自身の健康を守ることや高騰する医療費といった問題にも有益であるため、こうした自治体ぐるみでのサポートは大きく期待がされています。
■ 出典
株式会社全国新聞ネット 47NEWS
株式会社創新社 糖尿病ネットワーク
東京糖尿病療養指導士認定機構 Webサイト
東京糖尿病療養指導推進機構 Webサイト