【第1回】バイオ人工膵島移植の進捗状況(松本慎一先生)

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1型糖尿病根治を願う2025年を迎え、根治に一番近い治療法と期待するバイオ人工膵島移植の進捗状況を、この分野の第一人者である松本慎一先生(日本初の膵島移植医で医療用ブタ開発のために自ら法人まで立ち上げられました)より毎月報告していただきます。
全てをここで語れないのが残念ですが、6月14日(土)開催のサイエンスフォーラムin神戸(近日参加者募集開始)など、情報発信の機会を増やしてまいります。

バイオ人工膵島移植の進捗状況(3月)

医療用ブタ開発機構代表理事の松本慎一です。今回から、バイオ人工膵島の進捗をシリーズでご報告することになりました。
日本で保険適応になっている、同種膵島移植は、ヒトのドナーから膵臓を摘出し、膵島を分離し移植する治療です。この治療には、ヒトドナー不足、免疫抑制剤が必要であることが課題となっています。この課題を、医療用ブタを使うことと、免疫隔離カプセルやデバイスを用い免疫抑制剤を不要にした膵島移植をバイオ人工膵島移植と呼んでいます。
バイオ人工膵島移植は、過去に、ニュージーランド、メキシコ、ロシア、アルゼンチンですでに1型糖尿病患者さんに実施されています。しかしながら、薬事承認が可能な日欧米では、実施されていません。
日本においては、国立国際医療センターの霜田先生のグループが、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の研究として2019年から2020年まで、ブタ膵島を用いた、バイオ人工膵島にて糖尿病マウスが治ることを示しており、基本的な技術をすでに獲得しています。現在、臨床(人を対象にする取組)に向けての課題を一つ一つ解決しているところです。

引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。

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プロフィール
名前:松本慎一
神戸大学大学院医学研究科 客員教授
日本IDDMネットワーク理事
日本初の膵島移植医

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