2型糖尿病自己管理支援アプリ 「GlucoNote」 、日本調剤社開発の電子お薬手帳らと共同研究へ

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2型糖尿病支援アプリ 「GlucoNote」 に 「お薬手帳プラス」 を連携し共同研究へ

昨年3月、東京大学と株式会社NTT ドコモとの社会連携講座として設置された、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター健康空間情報学講座の脇嘉代特任准教授、同大学大学院情報理工学系 研究科電子情報学専攻の相澤清晴教授らは、Apple社ResearchKitを用いたものとしては国内で初めてとなる2型糖尿病・糖尿病予備群を対象にしたスマートフォンアプリ 「GlucoNote (グルコノート)」 による臨床研究の開始を発表しています。

続く12月には全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社 (以下日本調剤社) が、東京大学大学院医学系研究科と共同研究の開始を発表しました。 「GlucoNote」 と日本調剤社開発による電子お薬手帳 「お薬手帳プラス」 の機能を連携させ、薬剤師による対面サポートを付加します。これにより、アプリの利用・活用への効果を検証していくとのこと。

 

【GlucoNote の目的】

「GlucoNote」は、健康空間情報学講座が開発した2型糖尿病及び予備群の方を対象に自己管理支援と研究調査を目的としたアプリ。健康診断時にのみ空腹時血糖を調べるのではあまり意味がないとはかねてから指摘されてきましたが、「GlucoNote」 により、家庭での血糖値、血圧、活動量などのデータや生活習慣(食事・運動・睡眠等)に関するデータを継続的に収集することができ、2型糖尿病患者・糖尿病予備群の健康状態と日常生活の関連性をより多角的に検討することが可能となります。

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画像出典:日本調剤社プレスリリース

【お薬手帳プラスとかかりつけ薬剤師の目的】

「お薬手帳プラス」は、薬の管理や各種健康管理をスマートフォンやパソコン上で管理することができる、日本調剤社による電子お薬手帳アプリです。登録用カードや手入力は不要で、自分の服薬情報を自動登録できる連携機能、スマートフォンで撮影した処方せん情報を薬局へ送信できる「処方せん送信機能」 など利便性の高いアプリです。また、家族単位でも薬管理ができる設定も備えています。

「かかりつけ薬剤師」 とは、2016年4月から開始した 「かかりつけ薬剤師制度」 に定義される薬剤師です。厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」によると、ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握が期待されており、医療機関等との連携も同時に求められているものです。

 

日本調剤社では、これら 「GlucoNote」、「お薬手帳プラス」、「かかりつけ薬剤師」 の3要素を組み合わせることによる効果の検証を実施。 “先駆的な研究によってPHR(Personal Health Record)の利活用と薬剤師の介入に関する新たな知見が得られる(出典:日本調剤社プレスリリース)” とは同社による見解です。

テクノロジーの発展が2型糖尿病の改善へ寄与する時代が、もう近くまできているのかもしれません。

 

■ 出典

日本調剤株式会社 プレスリリース

厚生労働省  患者のための薬局ビジョン

東京大学大学院医学系研究科 健康空間情報学講座 Webサイト

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