【第10回】歯周病が影響するその他の病気〜知って良かった!歯と健康のお話〜

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今月号は、歯周病が影響を与えるその他の疾患として、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産について説明します。

 

誤嚥性肺炎と歯周病の関係とは?!

誤嚥性肺炎は、嚥下時における食べ物や唾液、または胃の内容物等、本来は気道に入るべきでない物を吸引すること(誤嚥)によって引き起こされる肺炎です。

特に高齢者における死因の上位を占め、脳血管疾患の既往歴をもつ人のリスクが高いと言われています。

さらに、明らかな誤嚥がなくても起こる不顕性誤嚥も多く、口腔内を不衛生にしておくと、その危険性が高まります(図1)。

 

(図1)この病気 歯が原因!? 砂書房から引用

 

早期低体重児出産と歯周病との関連は?!

早期低体重児出産とは、早産(妊娠24週以降37週未満の出産)あるいは低体重児出産(出生体重2500g未満の低出生体重児の出産)のことです。

妊婦に歯周病があると、早期低体重児出産の危険率が5倍から7倍も高まるとの報告があります。

つわりがひどいために十分にブラッシングができないと歯周病になりやすくなりますし、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が炎症反応を増大させます。

そして歯周病が長引くと、歯周病は歯周病細菌による感染症であるため、軽微な慢性炎症が長期に持続することになります、

そのため、歯周病局所で産生された炎症性物質(サイトカインやプロスタグランディン)の濃度が妊婦の血液中で上昇し、早期に子宮収縮や頸管熱化を引き起こし、そのため早産に至ると考えられています(図2)。

 

(図2)歯周病と7つの病気  永末書店から引用

 

今月まで計10回にわたり、歯周病と全身の病気との関連についてお話しました。次回から歯周病の治療について基本的な治療から最新治療までお話しする予定です。

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栗原幹直(くりはら みきなお)

徳島大学歯学部卒後、岡山大学歯学部歯周病態学講座入局。2004年広島県三原市に「くりはら歯科医院」を開業。日本歯周病学会歯周病専門医、日本糖尿病協会登録歯科医、1型糖尿病患者専門受け入れ歯科医院。

 

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