アボットジャパン合同会社は、2017年から発売されている同社の間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)「FreeStyleリブレ」を主に使用する場合の血糖自己測定器加算の保険適用区分が2022年4月1日から変更され、インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者に拡大されることが、厚生労働省より承認されたことを発表しました。
2016年5月に厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した「FreeStyleリブレ」は、これまでに50カ国以上で400万人近くの人々に使用されています。
▶インスリン療法を行っているすべての糖尿病患者さんにFreeStyleリブレの保険適用が拡大|アボットジャパン合同会社のプレスリリース
間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)とは
間歇スキャン式持続血糖測定器(intermittently scanned continuous glucose monitoring、以下isCGM)は、リーダーやスマートフォンをセンサーにかざすことで、近距離無線通信(NFC)により皮下の間質グルコース値(血糖値と高い相関関係のある間質液中のブドウ糖濃度)のデータを読み取ることができ、血糖変動を把握することができる医療機器です。
今回の診療報酬改定に伴う変更点
これまでisCGMが処方される場合は、血糖自己測定の回数に応じた保険項目に加え、isCGMを主に使用する場合の保険項目「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」で定義された「強化インスリン療法を行っている患者さん又は強化インスリン療法を行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているもの」に該当する患者が保険の適用範囲となっていました。
これが、3月4日に厚生労働省が発表した「令和4年度診療報酬改定について」により変更されることになりました。
isCGMを主に使用する場合の保険項目「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」の対象者が、インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者に拡大され、インスリン治療中の患者は誰しもが、2022年4月1日から保険の適用対象となることになります。
その他
isCGMの保険適用の対象者については分かりにくい表現でしたが、今回の適用範囲拡大により、isCGMの利用を望むインスリン治療中の患者の誰しもがその恩恵を受けらることを期待しています。
また、血糖自己測定器加算にあるC150-7「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」は、複数月処方が可能で3ヶ月分をまとめて処方できますので、with コロナの時代でオンライン診療や電話等再診を利用したい方の治療の選択肢として活用されてほしいです。
最後に、今回の診療報酬改定ではC150 血糖自己測定器加算の注4で「SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に対して、血中ケトン体自己測定器を使用した場合は、血中ケトン体自己測定器加算として、3月に3回に限り、40点を更に第1款の所定点数に加算する。」が追加され、SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病患者の方は、血中ケトン体自己測定を保険適用で使用することができるようになりました。
isCGMでもあるFreeStyleリブレは血中ケトン体自己測定にも対応していますので、SGLT2阻害薬の適切な使用にもつながればと期待します。(大村詠一)