リアルタイム持続グルコースモニタリングシステム「Dexcom G6 CGMシステム」、血糖自己測定の併用が原則不要に

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テルモ株式会社は、2021年から発売されている同社のリアルタイム持続グルコースモニタリングシステム「Dexcom G6 CGMシステム」において、「使用目的又は効果」にかかる製造販売承認事項の一部変更が5月10日に承認され、血糖自己測定の併用が原則不要になったことを発表しました。

テルモ、持続グルコースモニタシステム「Dexcom G6 CGMシステム」の使用目的又は効果が変更 | テルモ

 

リアルタイム持続グルコースモニタリングシステム(rtCGM)とは

リアルタイム持続グルコースモニタリングシステム(real time continuous glucose monitoring、以下rtCGM)は、腹部などに貼り付けたセンサーが皮下の間質液中のグルコース濃度を連続的に測定し、測定値を数分おきに自動的にモニターや専用アプリをインストールしたスマートフォンに送信することで血糖変動を把握することができる医療機器です。

rtCGMでは、現在日本で発売されている間歇スキャン式持続血糖測定器(intermittently scanned continuous glucose monitoring、以下isCGM)と同等の機能に加えて、グルコース濃度が設定した目標範囲外になったことを通知する機能や低血糖の可能性を予測してアラートを出す機能なども有しています。

 

今回の製造販売承認事項の一部変更点

Dexcom G6 CGMシステムの使用目的又は効果が「血糖自己測定を代替するものではなく、補助すること」から「必要に応じて血糖自己測定器を併用」に変更されたことで、これまでインスリンなどの薬剤の投与量調整といった糖尿病の日常管理を行う際に必須とされていた血糖自己測定が原則不要となりました。

 

その他

まだまだ月々の医療費への負担などから日本ではrtCGMは普及しているとは言えない状況です。
しかしながら、海外では下記記事のようにrtCGMの活用で血糖コントロールが改善されたという論文も発表されています。

1型糖尿病、isCGMからrtCGMに切り替えでTIR改善 | 海外ジャーナル | m3.com

また、CGMは1型糖尿病に限らず2型糖尿病にも有用であるという報告もあり、海外ではより多くの糖尿病患者が使えるようにすべきだとの考え方が広まってきています。

CGM(持続血糖測定)が糖尿病患者の血糖コントロールを改善 多くの患者が使えるようにするべき | ニュース | 糖尿病ネットワーク

今回、患者にとって負担の1つである血糖自己測定が原則不要な状態でrtCGMが使えることになったことは朗報であり、日本でも1型糖尿病や2型糖尿病などの種類を問わず、糖尿病治療の選択肢の1つにrtCGMがこれまで以上に活用されることを期待します。
(大村詠一)

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