日本メドトロニック株式会社、新型のインスリンポンプ「ミニメド™770Gシステム」を販売

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日本メドトロニック株式会社は、日本初のハイブリッドクローズドループ(Hybrid Closed Loop:以下、HCL)テクノロジーを搭載した新型のインスリンポンプ「ミニメド™770Gシステム」を1月20日より発売開始しました。
2021年9月17日に国内の製造販売承認を取得したミニメド™770Gシステムは、米国をはじめ諸外国ではすでに販売され、インスリンポンプによる治療を必要とする多くの糖尿病患者に使用されています。

日本初のハイブリッドクローズドループ(HCL)テクノロジー搭載 インスリンポンプ「ミニメド™770Gシステム」の販売を開始|プレスリリース|メドトロニック

 

HCL(ハイブリッドクローズドループ)とは

HCLは、インスリンポンプと連動したリアルタイム持続グルコース測定(以下、CGM)より5分ごとに得られる値に基づいて、システムが基礎インスリン量を自動調整することで高血糖および低血糖を軽減し、目標範囲の血糖コントロールをサポートするテクノロジーです。

例えば、ミニメド™770Gシステムでは、高血糖を予測すると基礎インスリンの注入量を増量、逆に低血糖を予測するとインスリンの注入量を減量するなどで患者の血糖コントロールをサポートします。

一方、食事を摂取した際に必要となる追加インスリンは、患者自身が設定して注入する必要があるため、「人工膵臓」とも呼ばれる基礎インスリンだけでなく追加インスリンも自動注入する「クローズドループ」に対し、「ハイブリッドクローズドループ」と呼ばれます。

 

特徴

ミニメド™770Gシステムでは、上記のHCLテクノロジーに加えて、スマートフォン連携も可能となっています。アプリを使用することで、リアルタイムCGMから得られるインスリンポンプデータの一部を、スマートフォン上で確認できます。また、これらのデータを家族や保護者など任意の相手に共有することが可能なため、主治医と共有することで診療時間の短縮やオンライン診療への活用が期待されます。

このミニメド™770Gシステムについて、東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科教授の西村理明氏は以下のように述べています。

「ミニメド™770Gシステムの登場によって、ついに日本でもHCLテクノロジーの効果を享受できるようになります。インスリン治療において血糖値を適切な範囲に維持することは患者さん・医療者の双方にとっての目標であり、大きな課題でした。

生活、仕事、体調などで必要なインスリン量は常に変化します。従って、医師の指示通りにインスリンを注射・注入していても、高・低血糖は様々な要因によって起こりえます。しかし、今回のHCLの登場によって、インスリン治療は大きく飛躍するでしょう。機器が自動で基礎インスリン量の調整を行い、血糖値を目標範囲内に維持するサポートをしてくれるのです。」

 

その他

クローズドループシステムの時代到来を感じさせるHCLテクノロジーがいよいよ日本でも使用できることは嬉しいニュースです。
医療者の理解と正しい指導で新しいデバイスを有効活用し、治療の質や生活の質の向上につなげられる患者・家族が増えることを期待します。(大村詠一)

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