2023年6月25日(日)に開催する「サイエンスフォーラム2023」は、日本IDDMネットワークが皆様からいただいたご寄付で支援した研究者の方々と1型糖尿病患者・家族が交流し、1型糖尿病“根絶”を目指す研究をさらに加速させるためのイベントです。
日本IDDMネットワークの1年間の活動報告会も兼ねており、より多くの皆様に様々な種類の「糖尿病」について興味をもっていただく機会になればと思っています。
今年は4年ぶりの対面イベントということもあり、スペシャルゲストを招いて開催します!
第1部では、現在進められている研究の進捗について研究者の方々から直接ご報告いただきます。
また、スペシャルゲストとともに様々な糖尿病について語り合う、パネルディスカッションを行います。
第2部は質問や交流がメインです。研究に関するお話はもちろん、
【マルコさんと2型糖尿病の話】
【理事長と話そう】
【エンディングノート”もしもノート”を書こう】
【テーマなしのしゃべり場】
もご用意しています。自由に移動可能ですので、いろいろな話をきいてみてくださいね。
目次
サイエンスフォーラムの見どころ紹介
各講演内容の紹介と合わせて、おすすめのポイントをご紹介します!
1型糖尿病研究基金助成プロジェクト
群馬大学生体調節研究所代謝疾患医科学分野教授 白川純先生 |
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経過の長い1型糖尿病患者さんの膵臓の中には、インスリンを作り出す膵β細胞が例外なく残されていることが示されています。また、インスリンが必要な時に、膵臓と膵臓以外の臓器とのネットワークを通じて、膵β細胞を増やすメカニズムが体にはもともと備わっており、それを引き出すことができれば、体の中に残された膵β細胞を、安心かつ安全に再び増やすことができる治療につながります。この目標達成に向けた新しいアプローチについてご紹介します。 |
京都大学iPS細胞研究所教授 長船健二先生 |
これまでiPS細胞に化学物質をふりかけて膵島が作られてきましたが、今回の研究では世界に先駆けて、iPS細胞に「遺伝子を導入する」ことで、移植後に体内で長く生き延び、血糖値をより強力にコントロールし、免疫抑制剤が不要になるという機能や性質が加わった「次世代型のスマート膵島」を作ります。また、この膵島は、これまでより安価で量産することができ、小さなお子様からご高齢の患者さままで、さらに1型に加え2型糖尿病の治療にも使えることが期待できます。当日はiPS細胞を使ったこれまでの研究結果とスマート膵島を作る今後の計画について紹介します。 | 神戸大学大学院医学研究科外科学講座国際がん医療・研究推進学分野 浅利貞毅先生 |
神戸医療産業都市に位置し、リサーチホスピタル(※1)である神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)を拠点に、産官学連携で取り組んでいるバイオ人工膵島移植医療の研究開発についてご紹介します。体に負担のかからない持続可能な新しい移植医療によって、1型糖尿病患者の皆様がインスリン注射から解放されることを目指しています。 | |
国立国際医療研究センター研究所 膵島移植企業連携プロジェクト 松本慎一先生 |
私は、2004年に日本で初めて心臓死の臓器提供者からの膵島を、1型糖尿病の患者さんに移植し、インスリン注射からの離脱に成功しました。ただし、この治療は、臓器提供者の不足、免疫抑制剤の一生涯の内服という課題があります。私が現在行っているバイオ人工膵島移植の研究は、医療用ブタの膵島を特殊な膜で覆って移植することで、これらの課題を克服することです。すでに、海外では臨床応用(※2)まで進んでおり、当日は日本での準備状況について紹介します。 |
(※1)新しい治療技術や医療機器の研究開発・実証実験・臨床研究を実施する病院
(※2)実際の診療に使われること
みどころポイント!
1型糖尿病根治に最も近いといわれる「バイオ人工膵島移植」は、すでに保険適応となった膵島移植・膵臓移植の課題であるドナー(臓器提供者)不足と免疫抑制剤の使用という課題を解決することができる移植法です。
これまでの皆様からのご支援により、バイオ人工膵島移植はついに治験(臨床研究)を目指す段階となりました。“日帰りで受けられる膵島移植手術”を目指すバイオ人工膵島移植の現在の課題と今後の展望についてお話しします。
また、今回は体内に残された膵β細胞を安全に再び増やしてゆく再生医療研究や、iPS細胞研究のお話もあります。
再生医療やiPS細胞の研究が進むことで、膵島移植だけではなく、1型糖尿病根治に向けてあらゆる選択肢が広がってゆくことが期待できます。
パネルディスカッション「インスリンが必要な病気について知ろう!」
スペシャルゲストとして、元阪神タイガース投手の岩田稔さん、ブロガーのマルコさん、糖尿病専門医の田中慧先生を迎えてパネルディスカッションを行います。
みどころポイント!
ご自身も1型糖尿病患者でありながら、プロ野球選手として第一線で活躍されていた岩田稔さんを始め、2型糖尿病患者の家族として情報を発信しているマルコさん、MODY患者糖尿病専門医として医療の先端を走る田中慧先生と、日本IDDMネットワークの大村詠一が語り合います。
糖尿病を抱えていてもプロのスポーツ選手や日本の医療を支える医師、パイロットにだってなれるのです。糖尿病を理由に制限される職種はありません。
糖尿病患者さんはもちろん、そのご家族の皆様にもぜひご覧いただきたいディスカッションです。
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参加者交流会の紹介
テーマ1 バイオ人口膵島移植の実現に向けて
テーマ2 膵β細胞再生~移植ではない治療法~
テーマ3 iPS細胞による1型糖尿病根治
テーマ1~3については上記「サイエンスフォーラムの見どころ紹介」をご参照ください。各先生方への質問も可能な交流会です。
テーマ4 マルコさんと2型糖尿病の話
今回の登壇者の一人でもあるマルコさんと、2型糖尿病についてのお話しができるブースです。
2型糖尿病の旦那さんとお二人の娘さんをお持ちの漫画家さんで、マルコさんのブログ「うちの夫が糖尿病になっちゃった!」は1日の読者が4000人を超える人気ブログです。
また「うちの夫が糖尿病になっちゃった!ズボラ夫が血糖値を下げた方法」 の著者でもあります。
現役ブロガーとして糖尿病についての情報を発信しているマルコさんは、血糖値や食についてわかりやすくお話してくれますよ。
血糖コントロールに不安や悩みのある方は、ぜひマルコさんのブースへお立ち寄りください。
テーマ5 理事長と話そう
日本IDDMネットワークの理事長である井上龍夫と、直接お話しをしてみませんか?
1型糖尿病根絶を目標に長きに渡り日本IDDMネットワークの代表を務める理事長は、自身も1型糖尿病の息子さんを持つ「親」。
厚生労働省、文部科学省など行政に向けたロビー活動も積極的に行っています。日本IDDMネットワークの活動について聞いてみませんか?
テーマ6 エンディングノート”もしもノート”を書こう
年齢を重ねるにつれ、さまざまな悩みや葛藤を抱くもの。もしも災害が起きたら・・・準備をしていないと不安です。
テーマ6のブースでは、もしもの時に備えた「エンディングノート”もしもノート”」を書いてみましょう。
エンディングノート”もしもノート”を書くことで、自分が今何を考えているのか、もしもの際に家族にどうしてほしいのかが見えてくるかもしれません。
改めて”1型糖尿病”との向き合い方を考える良い機会となるのではないでしょうか。
テーマ7 しゃべり場(テーマなしの部屋)
「園や学校への説明はどうしたらよい?」
「低血糖の時の対処法は?」
「周りにどこまで話してる?」
「職場や学校での理解が得られないときはどうしたらよいの?」
「血糖コントロールを上手く調節するには?」
同じ境遇を持つ仲間と、意見や情報を交換するブースです。いろいろなお悩みや体験談を共有することで、これまで抱えていた不安や戸惑いがふわっと軽くなるかもしれません。
すでにいろいろな体験をされた患者家族の方も、今困っている方々にその貴重な体験談を共有していただけませんか?ご参加お待ちしております!