日本メドトロニック株式会社、インスリンポンプ「ミニメド™780Gシステム」を販売

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インスリンポンプの一つである「ミニメド」から新システムの780Gが発売されました!

今回日本メドトロニック株式会社より発売されたインスリンポンプ、アップデートのポイントは大きく分けて2つあります!

1.自動インスリン注入機能が基礎に加え補正機能も追加
2.定期的な較正が不要になり血糖測定での穿刺頻度を減らすことができる

1.自動インスリン注入機能が基礎に加え補正機能も追加

780Gの主要な機能として、従来の基礎インスリンの自動インスリン注入機能が備わったHCL(ハイブリッドクローズドループ)に加えて、補正インスリンの自動インスリン注入機能が備わったAHCL(アドバンスドハイブリッドクローズドループ)テクノロジーが搭載されています。
…と記載されていると難しく感じるかもしれません。
基礎知識としてインスリンポンプではペンでは調節できない「時間帯」、「運動量」で微妙に変動する【基礎インスリン(※1)】を調節することが可能です。
例えば筆者の場合、
・朝の起床のタイミングで高血糖
・夕方の時間帯に糖質20gを摂取しても低血糖
になりがちなので、1日当たりの注入量の割合を時間帯に合わせて加減して使用しています。
770Gのオートモードを使用することにより、この基礎インスリン量を過去のデータをベースに独自のアルゴリズム(計算)で自動調節することができるのです。これがHCL(ハイブリッドクローズドループ)という770Gでの機能です。
780Gのオートモード機能では基礎インスリンに加えて補正インスリン(※2)まで自動調整することができます!(スマートガード™自動補正)

例えばカーボカウントで食事をした時、追加インスリン(※3)だけでは微量のタンパク質や脂質の影響を抑えることができず、血糖値の補正のための補正インスリンが必要になることも少なくありません。そんな時に自動調節してくれるのが780GのAHCL(アドバンスドハイブリッドクローズドループ)なのです。
少し前から機能の情報は耳にしていましたが、日本での発売がついに叶うのは大変嬉しいことです!自分で膵臓の代わりを作り上げることができるってなんて素晴らしい!と感じております。

2.定期的な較正が不要になり血糖測定での穿刺頻度を減らすことができる

今回の780G発売に伴い、ガーディアンセンサも3から4へアップグレードされます。
今までは1日当たり3~4回の血糖測定が必須となっており、仕事中に較正時間が重なると不便を感じることもありました。
新機能にアップグレードされたリアルタイムCGMシステムにより、較正不要・センサグルコース値でインスリン調整可の機能が付加され、よりインスリンポンプに囚われない生活リズムを送ることが可能です。
またインスリンポンプユーザーでなくとも、このセンサを利用することができるため、ライフスタイルに合わせたリアルタイムCGMの1つとして選択することもできます!

さらに現在ミニメド 770G ユーザーの場合、使用中の770Gから機械を交換することなく780Gへアップデートすることができるので、機械自体の使用感を変えることなく変更することができます!
外来でのアップデートには通常の診療時間よりも時間がかかるとの情報がありますので、導入検討される際は事前に相談の上、受診時間に余裕をもっておくとよいかもしれませんね。
その他にも、Apple Watchへの連動、UI(デザイン)が視覚的にわかりやすくなった、ロック機能がデフォルトでなし、といった細かい変更点もあります。

なお適応年齢が一部変更となり、目玉のAHCL機能は7歳以上から適応となっています。

ちょっとした補正が自動化できる今、自動注入の機能によって食事も操作要らずになる時代も近いかもしれません!


※1:基礎インスリン:日常生活の基礎となるインスリン
※2:補正インスリン:食事以外のごく少量の炭水化物や、カーボカウントの見積もりずれ、たんぱく質・脂質などの後上がり、その他の要因で血糖値が上がった場合に補正するためのインスリン
※3:追加インスリン:食事で炭水化物を取るときのインスリン

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